脳のマニピュレーションinシアトル
7 March 2017 | 5:26 am

先週、アメリカのシアトルにて脳のマニピュレーションのセミナーに参加して参りました。これで全4回のコースを修了したことになります。オステオパシーは筋肉や関節のみならず、内臓やリンパ、神経など体のあらゆる組織に対し手技を施すことができますが、近年では脳の各部位に対して特異的にアプローチする方法が開発されました。

 今回は主に脳幹にある各脳神経の神経核に対するマニピュレーションの方法を習いました。例えば、眼球運動に関与する脳神経核へのマニピュレーションは斜視などに効果がありそうですし、三叉神経節や核の活動を正常化させると三叉神経痛や顎関節症などの治療の助けになりそうです。また、第7脳神経は顔面の表情筋機能を司りますし、第910脳神経は咽頭部の筋活動や内臓機能をコントロールします。そして第12脳神経は舌の筋肉を支配します。これらおそらく実際には1mm以下程度の大きさの核に対し、手でその機能を正常化させることができるなんて驚きです。

 あと、臨床で有効だろうなと感じたのは縫線核と呼ばれるセロトニンを分泌する核や中脳水道灰白質と呼ばれる疼痛抑制に関与する部分へのアプローチは鬱病などの心理障害や難治性の慢性疼痛などにおいて効果が期待されます。

 シアトル訪問はこれで3回目になりますが、アメリカの中では食べものが美味しくて助かります。今回初めてアメリカで美味しいと感じられるパスタが食べられました。


足根骨のお話
16 January 2017 | 4:18 am

明けましておめでとうございます。

2017年が皆様にとってよき年となりますようお祈り申し上げます。

 

 今回は足根骨についてお話させていただきたいと思います。

 人間の足部は実は28個もの骨で構成されており、当然それらの骨同士は関節によって互いに連結されています。足部は立位においては体重の全てを担わなければならず、さらに歩行やスポーツ時における負荷がかかれば、これらの骨に多少の配列異常が生じても全然不思議ではありません。中でもこのような荷重による配列異常を起こしやすい骨が足根骨と呼ばれるいくつかの骨です。微細な配列異常であれば通常足自体に痛みを自覚することは稀ですが、例えば足のアーチが崩れたり重心がうまくのらなかったりすることが長期化すると、そのようなアンバランスは全身に影響を与え、むしろ膝や股関節のみならず、骨盤や背骨などに様々な症状を引き起こすことがあります。

 オステオパシーはこれら各々の骨の偏位を細かく診断しマニピュレーションと呼ばれる様々な手技によってそれを改善させることができます。このようにオステオパシーは人体を一つのユニットとして眺め、症状のみに対処するのではなく、その症状を作り出している根本原因を突き止めようといたします。足根骨の配列異常は慢性的あるいは反復性の腰痛や背部痛、首の痛みなどの根本原因であることが少なくありません。慢性/反復性の痛みでお悩みの方はぜひ一度足部をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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偏頭痛患者のケア費用に対するオステオパシーマニピュレーション治療の影響
12 October 2016 | 7:17 am

偏頭痛患者のケア費用に対するオステオパシーマニピュレーション治療の影響

Erik Schabert & William Thomas Crow
J Am Osteopath Assoc. 2009; 109:403-407
 

抄録

背景:アメリカでは偏頭痛は有病率が高く、多大なヘルスケア支出の原因となっている。

目的:アロパシーファミリープラクティス研修医クリニックにおける非OMTケアと比較した際の、オステオパシーファミリープラクティス研修医クリニックにおけるオステオパシーマニピュレーション治療(OMT)が偏頭痛患者に対する治療の費用に影響を与えるかを調査すること。

方法:200271日から2007630日までの期間における、フロリダ病院機構内の二つの研修医クリニックで偏頭痛を治療した患者の電子メディカル記録の後ろ向き研究である。うち一つのクリニックはオステオパシークリニックでありOMTサービスを提供し、もう一つはアロパシックククリニックでありOMTは提供していない。来院の間の総費用ならびに処方薬の費用が各患者において集計された。また2006年ならびに2007年におけるオフィス来院の際に報告された患者の疼痛重症度評価もまた集計された。

結果:偏頭痛に関連した1427回の来院となる631人の患者の電子メディカル記録が分析された。各来院の平均費用はアロパシッククリニックに対しオステオパシークリニックで約50%少なかった。(それぞれ$363.84 vs $195.63; P<0.01)。この観察された相違は完全に各来院時に二つのクリニックにおいて処方された薬物数の平均によるものであり、オステオパシークリニックでは0.696であり、アロパシッククリニックでは1.285であった(P<0.01)。この処方数の違いがアロパシッククリニックと比較した際のオステオパシークリニックにおける低い平均薬物費用となった(それぞれ$284.93 vs $106.94; P<0.01)。オステオパシークリニックにおける対象患者はアロパシッククリニックに比べ平均5歳若かった(P,0.01)。患者による疼痛重症度の評価には二つのプラクティス間において統計上の相違はなかった。

結論:偏頭痛患者に対する治療養生法にOMTを含むことは治療養生法の費用を下げる可能性がある。しかし、これらの結果を確定する為にはさらなる研究が必要である。



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